
Face To Face / Under The Gun (Dance Mix)
鋭利なギターとDub処理が炸裂する、80s Club仕様New Wave。
Arthur Bakerがダンスフロアへと進化させたNew Wave
今回レコメンドする Face To Face / Under The Gun (Dance Mix) は、1984年という時代の空気を鋭く封じ込めたナンバーです。プロデュースを手がけたのは、HipHopからElectro、Rockまでジャンルを横断して数々の名作を送り出してきたArthur Baker。彼の手腕によって、この楽曲は単なるNew Waveのシングルではなく、クラブで鳴らすコトを前提に再構築されたダンス・トラックへと昇華されています。当時、Rockとダンス・ミュージックの距離が急速に縮まりつつあった空気を、そのまま音に閉じ込めたような1枚ですね。
Dance Mixで生まれ変わった攻撃的なグルーヴ
アルバム収録のオリジナルは、激しく打ち鳴らされるビートとエッジの効いたギターが印象的なロッキン・チューン。しかし12インチシングルに収録されたDance Mixは、まさに別モノと言える仕上がりです。イントロではシャウトのリバース処理が不穏な緊張感を演出し、よりタイトに組み替えられたドラムが身体を直撃っ! ゲート・リバーブが効いたスネアは空気を震わせ、ド派手なギターとベースがフロアを押し広げていく。ビートの抜き差しやDub的処理は、NYクラブシーンで磨かれたArthur Bakerならではの構築美が存分に発揮されています。
Laurie Sargentが描く緊張感とカタルシス
紅一点のLaurie Sargentのヴォーカルは、どこかラップ的なフロウを帯びながら、切迫感あるリリックを吐き出します。「Under The Gun」というタイトルが示す通り、追い詰められた状況下での葛藤やプレッシャーを描きつつ、その緊張感が逆にダンスフロアでは大きなカタルシスへと転化する…。この二面性こそが本作最大の魅力でしょう。Rockの持つ攻撃性と、クラブ・ミュージックの高揚感が絶妙なバランスで共存しているところも、この作品ならではの面白さです。
B面Dub Mixが証明するArthur Bakerのセンス
さらにB面 Run From The Shot (Dub Mix) も圧巻っ! メロディを大胆に解体し、ベースラインとエフェクトを主役に据えたインストゥルメンタル・Dubは、深夜帯のクラブで真価を発揮しました。余計な装飾を削ぎ落としながら、空間そのものを演出するようなMixワークはArthur Bakerらしい職人芸。Dance MixとDub Mixを聴き比べるコトで、この時代ならではの12インチカルチャーの奥深さも存分に味わうコトができます。
80s Clubカルチャーを象徴する12インチシングル
1984年当時、Rockとダンスの境界が溶け始めた瞬間を象徴するサウンドであり、ラジオ・ヒット志向とは一線を画すDJユースな1枚だったと言えますね。針を落とせば、80sの鋭い空気とダンスの衝動が一気に蘇る…。New Wave好きはもちろん、ElectroやDub、Garage以降の流れを追うDJにも刺さる12インチシングルです。音圧、構築美、そしてArthur Bakerのダンス哲学が詰まったこの盤、フロアで鳴らしてこそ真価がわかる1枚ですね。
